暮らすヒント

※暮らすヒント  
生物はこの世に生を受けて寿命が尽きるまで限られた条件の下に生きていかなくてはなりません。一方人の生き方に は多くの選択肢が用意されています。この項では少しでも本質に近づき楽しく過ごせる暮らしのヒントを探ってみたい と思います。

  暮らすとは
     まず、暮らすとは何か… と言うことを考えてみたいと思います。研究会では、生活⇔暮らし⇔人生は同義語であると考えています。人はこの世に生まれ、育てられ、学び、職に就き、結婚し、子を設けます。その子を育て、学ばせ、職に就け、やがてその子は結婚し、孫が生まれ、親は生活の糧を得る仕事を退職し、この世での役目を終えてお迎えが来る…。思いますに世界の人類の大多数は何千年もの昔からこのパターンを繰り返し、今後何千年も繰り返すのだろうと思われます。つまり現在自分が関りを持って生きているこの瞬間が貴方の生活であり暮らしであり人生なのだと理解願えればと思います。
 と言う訳で、暮らしとは自ら独立した家庭を持ち主体性を持って生活を維持し一生を生きることなのですが、人類の長い歴史の中で現在私達が生存・存在する時間帯だけが私たちが暮らす時間なのです。ここで一番大切なことは自分がかかわる時間帯であるからこそ全力を注いで努力・工夫し、生き抜き、暮らし抜き、次世代にバトンを渡すことではないでしょうか。この世代の積み重ねこそが貴方自身や家族がある一定の暮らしの水準を維持できている現実なのです。貴方が知らぬ内に引き継いだ有形無形の先祖の意思や思想を次の世代に引き継ぐことが貴方の生活であり暮らしであり人生であると言えるのかも知れません。生活すること、暮らすこと、人生をおくることなど、現実を暮らすことの意味をこのように考えていただければ解かりやすいかと思います。
 研究会では、生活⇔暮らし⇔人生の流れの中心に「暮らし」が位置することから暮らしをことのほか大切にする意味を込めて「暮らし方研究会」と名付けた所以でもあります。

  暮らしの先を読む
     長期的な社会の流れを予測することは、現代のように短期間で社会の流れが急激に変化する時代においては大変に重要なことであります。
 ここで、改めて世の流れを復習してみますと昭和の時代に第二次世界大戦が勃発し国中が焼け野原になりました。国民は復興再建に頑張り昭和の後半から平成の前半の時代には経済が著しく発展し大成長を成し遂げた時代でありました。しかし、令和の時代なるとSDGs運動、脱炭素社会、コロナ騒動をきっかけにした働き方改革、などが世界的な潮流となり高度成長時代とは一転、暮らしの原点回帰への流れや物を大切に質実剛健に暮らす姿勢が奨励されるなど、社会が大きく方向転換をし始めたことは否めない事実となりました。
 更に、国内においては少子高齢の進行が早まっており国としても社会のとっても大きな転換点に差し掛かっていることは明確であります。世の流れに惑わされない不変の信念と決意に基づく暮らし方が今後の社会においては期待される所以であります。

  暮らしと地域の関り
     さて、人が暮らすうえで欠かせない要素は住居と生活の基盤となる地域であります。少し視座を変えて理解願いたいのでありますが、野生動物の多くがテリトリーを持ち、その中で寝起きし、食料を確保し、結婚相手を探し、子孫を育て次代に種を繋いでいきます。中国では古くから「身土不二」という健康概念があり一日に歩いて往復できる距離内の空気・水・食物(土)を摂取するのが一番身体に良いとするものです。
 考えてみますと空気・水・土地・気候など生存に適した環境だから生きていけるのでしょう。人間も動物も共通した類似点を多数ありますが、暮らしていくうえで欠かせない地域と環境との関連を頭の片隅において次の項にお進みください。
 貴方や家族が暮らす住居を一歩外に出ますと通勤や通学の駅、コンビニやスパーマーケット、交番や役所、喫茶店や映画館、お子様がおられれば保育園や幼稚園、小中学校や高等学校など、仲間や顔見知りなど多くの方々との関りを始め、街との深い関りが存在します。つまりテリトリーとの関りが…。父とあの店の店主は中学の同級生、その子供と私も中学の同級生、なんて実に楽しい人や街との関係がご近所には沢山存在しています。
 長年、同じ処で暮らしを続けることは祖父母や両親が築いてくれた人との縁、街との縁など地域の縁を目には見えない財産として受け継いでいるのです。先代が残してくれた住居や人や地域との縁を引き継ぎ、それを活かし安心安全に囲まれて落ち着いた暮らしを楽しむのも「新しい暮らし再発見スタイル」と言えます。やがて先祖から引き継いだ貴方の財産を子供や孫たちに引き継ぐ時がやってきます。
 これから新しい地域に転居される方も暮らしと住居そして地域との関連、人生との関連を思い起こし意識していただき、次代に住居と共に地域も引き継ぐことの意味を理解していただければ幸いだと思います。

  自然との暮らしを意識する
     次にグローバル化が叫ばれる時代だからこそ、個性を大切にした自分流の暮らし方を貫いても良いのではないでしょうか。例えば、最近は小さな敷地を活かすため敷地目一杯に住居を建てる流れがあるようですが、集合住宅ではなく折角の一戸建住宅なのですから、少し工夫して一畳ほどの小さな庭を設けて花や草木を植えるのは如何でしょう。小さな庭に小鳥用の餌台を設けて米や蜜柑を置けば、都市部であっても結構雀や鵯や椋鳥が集まります。
 また植え込みには虫が住み着き良い声で鳴いてくれます。
 日本人は美しい花・綺麗な虫の声など子供の頃から愛でることを教えられ慣れているようですが、外国人にとっての虫の声はノイズだそうです。また、雨の後に土の匂いを感じるのも日本人の繊細な感性の賜物だそうです。このように子供の教育のためにもご自分の息抜きのためにも暮らしの中で天候や風の強弱を知り雲の流れを知る感性を維持することも、自然を知り自然に溶け込む、そして自然の息吹と共に生きる「終の棲家」ならではの心豊かな暮らしの基本ではないでしょうか。



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