暮らしの読み物

部会や倶楽部の会員の方々のご協力により寄稿されました。
論文あり、旅あり、食あり、涙あり…と、示唆とウイットに富んだ内容をお愉しみください。


地下足袋日記   1   2   3   4   イギリス編
「遺伝子の命ずるままに 住吉高灯篭建立の奨め」   1  (PDF形式)
味読「やさしさを生きる…」   1   2   3   4   5
ロハスライフ   1
あかりと遊ぶ   1   2   3
アイビー文化を楽しむ   1   2   3   4   5
やきもの小話   1   2   3   4   5   6
35日間の熟年夫婦の旅日記   1-1   1-2   2   3   4   5   6


照明と"色温度"

  照明の基本的役割とデザインの効用について、語って来ましたが、まだ照明には重要な視点があります。それは〔色温度〕〔照度〕〔演色性〕〔配置による陰影〕などです。
  理想的な光の効果がもたらす空間は、そこで過ごす時間のクオリテーを最大限に高めてくれるものです。
  今回の〔色温度〕とは、光の色であり、単位はケルビン(K)で表されます。
もともと人は、日中の明るく白い光のもとで活動し、橙色の光が強まる夕方から夕暮れの時間的推移の中で休息の生活姿勢になるならば、人工照明における光色も人々の生活と密接な関係があります。
  一般に、どのような色温度の照明の中で〈働き〉又〈くつろぐ〉のかが重要です。
真昼の太陽のように、真上から降り注ぐ白い光は人をアクティブにすると言われています。そして、一日が終わり、地平線に沈む夕日には、だれもが穏やかな安堵の気持ちを抱きます。このように、太陽の位置とその色は、人々の生活リズムに大きな影響を与え続けて来ました。
日時計は心の中に
  最近、商業施設や公共施設などで、照明を効果的に使用している例を数多く見かけます。
ホテル・ブランドショップ・レストランなどでは、一般的に色温度の低い3000K(ケルビン)程度の光がよく用いられています。
この光には、落ち着きと、やすらぎのある雰囲気を創り出す効果があります。
視覚は、人間の五感の感覚器官として情報を受ける力が最も強いことからも、人工の光が中心となる夜間の生活では、一日の生活リズムの上で、照明が重要な役割を果たします。
  職場や公共の場所と違い、住宅照明は住む人の判断によって、光が選択できます。
『気持ちよく暮らしたい』との思いは、よりよい光環境を考え、過剰で単調な照明から目に優しい落ち着きのある‘あかり’によって、心地よい空間を創り出すことが必要と思います。
  住宅においても、欧米の建築様式が急速に取り入れられ、また、都市の過密化から高層集合住宅が増加しています。
住いが鉄とコンクリートとガラス中心の物になるにつれ、人が明日への活力を取り戻す『再生』の場としての住宅の条件として‘あかり’が重要視されております。
〈眠る〉〈くつろぐ〉といった生理的な面での『再生』、さらには〈ホッとする〉〈自分を取り戻す〉といった心理的な面での『再生』は、我が家ならではのものであり、照明の色温度に対する考えは〔生活のうるおい〕を創造するのにも必要なファクターです。
  次回の掲載を、お楽しみに。

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