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鞍馬寺金堂にて記念撮影 |
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貴船神社に到着 |
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今回は京都市左京区に位置する鞍馬寺から貴船に至る山道を歩き、自然と歴史を体感しながら散策をすることになりました。今夏初めての酷暑日になりましたが貴船に向けて元気良く歩き出しましました。でも、暑い!
叡山電鉄「鞍馬駅」に集合して、「さぁ、足元に気をつけて行きましょう。」
歩き始めて10分、鞍馬寺仁王門を入った頃には、汗びっしょり。ケーブルに乗って鞍馬寺金堂に向かうことも出来るのですが誰一人乗ろうとする方はいません。最年少で5歳の悠紀ちゃん、11歳の拓海君も、みんな足取り軽く「由岐神社」への九十九折の山道を上がって行きました。勇壮な鞍馬の火祭りで有名な由岐神社の掛け造り門と大杉を見上げ、心地よく流れる汗を拭きながらさらに上って行きます。途中の転法輪堂で休憩を取っているとハワイから大学教授家族が日本の文化を勉強に来られていて熱心にメモをされ、日本の歴史や文化を学ぼうとする姿勢は研究会のセミナー参加者と同じワクワク感で眼は輝いていました。
予定より少し早く、山の中に堂々とした鞍馬寺金堂に到着。鞍馬寺は770年に鑑真の高弟鑑禎が毘沙門天を祀って創建したのが始まりといわれ、清々しい空気に触れることが出来ました。この鞍馬山は山域全体を鞍馬山自然博物苑として採集が禁じられているため、針葉樹、広葉樹が群生し、動植物が自然の形で残されていました。
霊宝殿に入場して国宝の毘沙門天像を見学し、平安の仏師の匠に感動することが出来ました。ここから先は熊やマムシも出没する山道なので、案内人は腰に熊除けの鈴を付けて、チリンチリンと鳴らしながら進みました。木漏れ日道の鈴の音が涼しく聞こえます。「牛若丸息つぎの水」、「義経公背比石」から大杉権現社に向かいました。大杉が空を覆い、枝葉が薄暗く辺りを覆います。牛若丸が修行した山に思いをはせていました。
「ヴォーォー、ヴォーォー、ヴォーォー…。」と法螺貝が鳴り響きます。誰が吹いているのかは参加者だけが知っていますが…。山に木魂(こだま)して眼を瞑ると平安の世界に牛若丸や天狗が現れそう。
岩盤が固く地下に根を張れない杉の根が地表にアラベスク模様を描く木の根道も普段見ることのない自然の見事さに圧倒されました。何度かこの鞍馬山を訪れた方も久しぶりの散策で自然を満喫し、いつの間にか爽快な満足感で足取り軽く、貴船に向かいました。最後の下り階段が少し応えましたが貴船川のせせらぎの音が聞こえるとみんなの足取りはさらに軽くなり、全員無事、貴船に着くことが出来ました。
さすがに貴船は川の冷気が漂って、涼しい!
今回のテーマ「酷暑に清涼を求め…」の通り、この日、京都の最高気温は35度を超えていて、厳しい暑さでしたが、貴船に着くころには川床に提灯も灯り始め、京の風情を楽しみながら帰途に着きました。
皆様ありがとうございました。
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文/高藤正道
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