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森の学校(西粟倉村)に到着 |
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牧 大介さんからお話を伺う |
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ニシアワー製造所 |
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工房に併設の「ようび本店」ショールーム |
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「木工房ようび」の大島正幸さんから お話を伺う |
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百年の森 |
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今年度最後のセミナーは、岡山県の最東北端に位置する英田郡西粟倉村を訪ねました。西粟倉村は、先日テレビ東京の「ガイアの夜明け」で「ニッポンの宝の山を活かす!」というテーマで取り上げられ、衰退する林業の地域再生モデルとして注目を浴びています。また、村の活動の中心的存在である、森の学校は「過去を受け継ぐ50年、未来へ繋ぐ50年」の100年の森構想を掲げ設立4年目を迎え、自立の道を選んだ上質な田舎の在り方として高い評価を受けています。
8時30分に大阪・北浜新井ビル前に集合し、バスで高速道路を経て西粟倉・森の学校に到着しました。代表の牧大介さんの出迎えを受け、教室でお話を伺いました。林業の共通の悩みは、木を切って丸太のまま売っても、安い外国材との競争に勝てず、切れば切るほどコストがかかり赤字になる…という状況から脱皮を図るため、人口約1500人の岡山県西粟倉村で林業を中心とした小さな地域経済「百年の森林構想」を立ち上げたメンバーのお一人だそうです。
具体的には、村役場が山主の所有する森林を委託管理し、それを森林組合が間伐・搬出する…そして切った丸太を株式会社「西粟倉・森の学校」が床材などの商品に加工する。つまり、四者が連携し、村内の木材に付加価値を付けながら森林を再生していく、という新しい取り組みです。これが評価され、大手企業のオフィスで森の学校の床材を採用するなど、西粟倉村の商品は都会での需要が急増しています。また、可能性を感じた若者も続々と西粟倉村に集まり、家具など木工品製作の若手ベンチャーが次々に西粟倉村で起業し始めているそうです。
お昼には、鹿肉のBBQの昼食をいただいて、ニシアワー製造所に移動しました。牧さんのご案内で工場に入ると、木材の良い香りのお出迎えです。木製床貼りタイルの製造工程を見学し、皆さんも実物を手に興味津々の面持ちでした。
続いて無垢材の家具などを扱う木工房「ようび」の工房に併設されたショールームに移り、代表の大島正幸さんからお話を伺いました。2009年、大島さんはオークビレッジから独立され、Iターンで西粟倉村に移住され、無垢の素材、伝統的な木組みの技術を活かしつつ、現代の暮らしに合った家具や暮らしの道具を創り出されています。村の95%が森林という小さな村西粟倉村では、森に生えた木を伐採する現場、それを製材する現場、木の道具になるために加工する現場、そして人々が近隣にあります。森から生活の道具までを体験として知る木工職人として、責任を持って使い手に繋げて行きたい…とビジョンを語られていました。
檜のちゃぶ台、軽かったです!座り心地の良い椅子、ホッとしました!
最後に、お土産探しと学校を見学する組、百年の森を訪れる組の2班に別れて行動しました。生憎の雨で実際に間伐された森林を十分体感することはできませんでしたが、これにて西粟倉の見学は終了です。帰路、バスの窓から手を振ってくださる牧さんの姿が見え、ますます親しみと共に名残惜しさを感じた次第です。
今回は日本の未来に夢を与えてくれる元気村の訪問でした。若い方に様々な文化が伝えられていく予感がし、何だかとても暖かく嬉しい気持ちになれました。
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文/新井律子
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