 |
竹中大工道具館館内 |
 |
唐招提寺金堂の一部を 再現した実物大模型 |
 |
歴史の旅へのコーナー |
 |
道具と手仕事のコーナー |
 |
大工道具の数々のコーナー |
 |
大徳寺玉林院にある茶室 「蓑庵」の実物大模型 |
 |
鉋削りを体験中 |
|
 |
 |
今回は、昨年の9月29日にJR新神戸駅前に移転され国内唯一の大工道具の博物館として、その存在を誇る「竹中大工道具館」を訪れました。
人類が動物と異なる点として道具を使うことが挙げられますが、仕事の大小に関わりなく効率よく、そして楽に仕事をこなすことは人類の夢でもありました。
竹中大工道具館の建物自体は、さすがに美しいむくり瓦屋根・漆喰の壁・伝統の舟底天井・なぐり仕上げの入り口ドアなど、いたる処に伝統の職人技が散りばめられていました。
館内に入るとタイミングよく、兵庫県で活躍する家具作家が各々の工房から毎年新作の椅子を一脚ずつ持ち寄り展示する「一脚展」が開催されていました。椅子には興味が大ありなので後でじっくり拝見することとしました。
1時間半ほど担当職員の方から展示に関する解説をいただきました。7つのコーナーに分けられた展示は、大工道具を巡る世界の広がりと豊かさを感じることができ感動でした。
大工道具の歴史や種類・仕組みを紹介する「歴史の旅へ」「道具と手仕事」「世界を巡る」のコーナー。道具や手仕事の美を感じることができる「名工の輝き」「和の伝統美」のコーナー。ものづくりの神髄を棟梁の仕事を通して伝える「棟梁に学ぶ」コーナー。木を十分に活かす知恵の数々が拝見できる「木を生かす」コーナーなど、理解しやすく大変に勉強になりました。
階段を下りて行くと…迫力の模型に目を奪われました。唐招提寺金堂の一部を再現した実物大模型です。木が重なり合った造は「組み物」と呼よばれる構造で、宮大工の技術のすばらしさが眼前で体感できました。
「道具と手仕事」のコーナーでは、日頃はお目にかかれない道具、知らなかった知恵の数々、「和の伝統美」では茶室の実物大模型をはじめ、精緻極まる組子細工、雲母摺りが輝く唐紙襖、自然の素材でつくり上げた土壁などを通して、世界に誇る麗しき伝統美の世界に溢れていました。「日本にはこんなにすばらしい技術と感性を持った職人さん達がいる!」驚きとうれしさで心が熱くなりました。
担当職員の方は大変に豊富な知識の持ち主で、解りやすく懇切丁寧な説明をいただきました。多くのことを学ぶ事ができ感謝申し上げます。日本の職人さんたちの技に素晴らしさと誇らしさが強く感じられました。
見学終了後、プロの大工さんと一緒にカンナを使って木をけずったり、木の香りを体験する「鉋削り体験」をしましたが、なんとか削ることができホッとした次第です。
大変に楽しく、知識も膨らみ充実した一日となりました。
|
 |
文/新井律子
|
|