日   時 2022.12.10(土) 13:00〜17:00頃まで
場   所 南禅寺・永観堂~哲学の道・銀閣寺まで
案 内 人 井上年和氏
(京都美術工芸大学建築学科准教授)
参 加 人 数 15名
テ ー マ 『晩秋の京都、学びと紅葉三昧…』



「南禅寺」の三門で記念撮影
南禅寺・方丈
水路閣
永観堂・阿弥陀堂
「永観堂」で記念撮影
哲学の道
大豊神社の狛ねずみの「大国社」
「銀閣寺」
銀閣寺展望所からの夕日
 今回は、紅葉京都岡崎エリア、「哲学の道」周辺の魅力的な寺社を巡りました。
 案内人は、京都大学卒業後、水路閣、禅林寺御影堂、銀閣寺中門・本堂などの文化財建造物の修復に携わり、上七軒でお茶屋を改修して新居にされ、京都景観賞建築部門優秀賞を受賞された井上年和さんです。
 頂いた資料に沿って、南禅寺三門~水路閣~禅林寺(永観堂)~哲学の道~大豊神社~法然院~銀閣寺まで、詳しく解説をしていただきながら歩きました。
 南禅寺の三門が集合場所。三門は石川五右衛門の「絶景かな。絶景かな」で知られる重要文化財で境内全体が国の史跡に指定されているのが特徴です。国宝「方丈」を通過し、水路閣に向かいます。
 水路閣は人気スポットでたくさんの観光客が集まっています。琵琶湖疏水の水路橋です。田邉朔郎が設計デザインを行いました。レンガ、花崗岩造のアーチ型の橋脚です。上部の水路の様子も見る事が出来ました。
 次に訪れた禅林寺(永観堂)は、京都随一の紅葉名所として知られています。約3,000本のイロハモミジやオオモミジが放生池を囲う庭園に鮮やかな彩りを加えています。見ごろは過ぎていましたが、まだまだ楽しむ事が出来ました。建立は平安初期、国宝の絹本着色山越阿弥陀図など多くの寺宝を所蔵しています。釈迦堂・臥龍廊・阿弥陀堂と巡りました。阿弥陀堂のご本尊の「みかえり阿弥陀」が印象的でした。
 哲学の道を歩いていきます。京都大学の哲学者・西田幾多郎や田辺元らが好んで散策し、思案を巡らしたことから「哲学の小径」、「散策の道」、「思索の道」、「疏水の小径」などと呼ばれたとのことです。後水尾天皇皇女昭子内親王墓の全景をそこから見ることができました。
 脇にそれた大豊神社は、境内にある末社の狛犬ならぬ狛ねずみの「大国社」が有名で、縁結び、健康で長生き、学問成就などの御利益が一度に授かれる延喜の良い神社です。
 法然院はあいにく4時までで閉門されていました。法然院の起こりは鎌倉時代に法然が弟子たちと共に六時礼讃行を修した草庵に由来します。寺の一部を定期的に講演会やコンサートなどを催す場として開放しています。
 銀閣寺は、室町幕府八代将軍の足利義政によって造営された山荘東山殿を起原とし、義政の没後、臨済宗の寺院となり義政の法号慈照院にちなんで慈照寺と名付けられました。調査で外壁には銀箔が貼られた痕跡がなく、漆塗との説明を受けました。驚きです!全景を見渡せる展望所からの夕日は最高でした。
 楽しい見ごたえのある一日となりました。井上先生、お世話になりました。ありがとうございました。
文/新井律子




 私は、九州福岡の産炭地の生まれ、育ちは京都市左京区鹿ケ谷と言えば、大袈裟な表現ですが、母の生まれ古郷のため小さい頃から1か月間程はこの疎水べりの母の実家を訪れていました。昔々母の実家では京都大学の学生を下宿させていたそうです。近くには大学教授や画家が住んでいました。私が遊び回っていた頃は、単なる「疎水べり」でした。その「哲学の道」を、今回の研究会のセミナーで巡りました。「南禅寺」のスケールの大きさ、柱や灯篭の大きさには驚きました。灯篭をテーマにした奈良でのセミナーが蘇りました。「永観堂」は、京都に住む親戚一同が口を揃えて永観堂の紅葉が一番美しいと絶賛しています。訪れたときには残念ながら紅葉の美しさを本格的に味わうことは叶いませんでしたが、それでもその片鱗を少し垣間見ることが出来ました。まったくの余談ですが、叔父が麻雀で牌のひきが良かった際に「ええ勘や!」の代わりに「ええ観堂の幼稚園!」と叫んでいたのを思いだします。「大豊神社」には、長寿の水玉を抱えたり、学問の巻物を抱える狛ねずみが迎えてくれます。可愛らしいお顔のねずみたちです。小さい頃に最も遊びに行っていた「法然院」は残念ながらタイムアウトで中には入れず遠くから眺めるだけでとても残念でした。「銀閣寺」にはぎりぎり間に合い、その庭園の白砂の向月台をはじめ世界文化遺産を堪能出来ました。文化財建造物の修復に携わる講師の井上年和氏の話はとても興味深いものでした。上七軒で、お茶屋を改修して住まわれているとのことで、その家のことなども聞きたいものです。
 京都を訪れるたびに脈々と続く歴史に中に普通に暮らしている普通の人たちがいることを羨ましく、そして有難く思います。京都の人たちは、「先の大戦とは、応仁の乱」と答えるとか、その応仁の乱の終戦記念日をいまだに祝っているとか、微笑ましく思います。これからも京都で様々な時代の空気に触れていきたいと感じた晩秋のセミナーでした。
高槻市在住 鈴木重三 60歳代


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