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「リ・ライフ」セミナーのご報告
      日時 令和6年11月16日(土)午前10時00分〜
午後4時00分頃まで
場所 聖徳宗総本山法隆寺、中宮寺、法輪寺、法起寺
参加人数 9名
テーマ 『斑鳩三塔を巡る…』



法隆寺「中門」

金剛力士像

五重塔と金堂

中宮寺

法輪寺

法輪寺
 今回は、法隆寺の五重塔、法輪寺の三重塔、法起寺の三重塔の斑鳩三塔を巡ります。法隆寺地域の仏教建造物は、法隆寺および法起寺の建造物から構成され、姫路城とともに日本初の世界遺産として登録されました。
 午前中は、法隆寺iセンターから、ボランティアガイドの吉村さんと世古さんの案内で、2班に分かれて法隆寺から中宮寺まで巡りました。法隆寺の案内は室町時代に再建された「南大門」からスタートです。参道を突き当たると「中門」が待ち構えています。両脇に日本最古の金剛力士像がいらっしゃいます。
 法隆寺の西院伽藍にある現存する日本最古の国宝五重塔は、五重目の軸部が初層の半分の大きさで、塔は上部ほど細く造られており、優美な雰囲気を醸し出しています。金堂は飛鳥様式の特徴を持つ世界最古の木造建築です。金堂では国宝の釈迦三尊像を拝観しました。中央に釈迦如来がいらっしゃいました。聖徳太子の病気平癒を祈って建てられた像です。やや長めのお顔で、口元がほほ笑むアルカイックスマイルが特徴です。また、平成10年に完成した大宝蔵院を訪れ、百済観音像、玉虫厨子など、多くの国宝や重要文化財を鑑賞しました。
 そのあと中宮寺に向かいます。中宮寺は、1300年続く聖徳太子とその母・穴穂部間人皇后ゆかりの尼寺です。飛鳥時代に創建されました。国宝菩薩半跏像は金堂の本尊で、半跏の姿勢で左の足を垂れ、右の足を膝の上に置き、右手を曲げて、その指先をほのかに頬に触れ、人の悩みをいかにせんかと思惟される清らかな気品をたたえておられます。ここでもアルカイックスマイルのお顔を拝見しました。
 お昼からはバスに乗り、法起寺へ行きました。法起寺は、天平時代の記録にあることから、もともとは尼寺として創建され、伽藍配置は、塔を東に、金堂を西に配したもので、法隆寺西院伽藍とは逆の配置となっています。国宝に指定された三重塔は、684年に起工され、現存する日本最古の三重塔です。遅咲きのコスモスが迎えてくれました。
 歩いて法輪寺に向かいます。「法輪寺」創建時の三重塔は、昭和19年に落雷で焼失しました。幸田露伴の代表作「五重塔」のモデルとなった昭和32年東京谷中・天王寺で起きた五重塔焼失を目の当たりにした次女・幸田文は、焼失に心を痛め、三重塔の再建が困難だという話を聞き、自らも斑鳩に移り住み、寄付金集めなど再建に尽力しました。昭和50年に再建され、再建工事に携わったのは「最後の宮大工」と名高い西岡常一棟梁です。収蔵庫では、間近に飛鳥仏に出会うことができました。
 お天気が心配でしたが、小ぶりの雨ですみ、聖徳太子一族ゆかりの仏塔、今に息づくいにしえの文化の香りをまとう三塔の佇まいとその歴史に関わってきた多くの先人たちに想いを寄せてたどりました。
文/新井律子




 11月16日 第192回『リ・ライフ』セミナーに参加させていただきました。
 「秋の斑鳩三塔を巡る…」をテーマに、聖徳太子ゆかりの法隆寺、中宮寺、法起寺、法輪寺を拝観させていただきました。
 実は、この歳で4寺いずれも初めての拝観でしたので、期待大でした。というのも、何年か前に読んだ、最後の宮大工棟梁といわれた西岡常一さんの「木に学べ」という本を思い出し、飛鳥時代の木造建築への期待から、今回のセミナーに参加させていただいたのです。
 午前中は、観光案内所でボランティアガイドさんと合流。法隆寺、中宮寺をご案内いただきました。
まずは、法隆寺。
ボランティアガイドさんに続き、南大門、中門を抜けると、迫力満点の五重塔、金堂が目に入ります。
限られた時間にもかかわらず、要所要所、ボランティアガイドさんが丁寧にわかりやすく説明してくださり、当時の宮大工の技や人々の暮し方まで、感じられました。
ここで、西岡棟梁の言葉を思い出します。
「ただ寸法だけ合わせて作っていたら、まっすぐに見えても地震や風で倒されてしまう。木の癖を見て、曲がった木、強い木、弱い木を組み合わせているから、構造的に優れている。」と。
五重塔、金堂はじめ、自然と和し、大工の信仰心が重ねられた伽藍だからこそ、荘厳で迫力のある姿を見せて、新しい知恵を現代にも伝えてくれ、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という語に通じているとも感じました。
続いて、夢殿では、奇しくも秋の特別御開帳の救世観音像も拝することができ、俗な言葉ですが、ラッキーでした。
その後、中宮寺にて、飛鳥時代の菩薩半跏像を拝観し、こちらでボランティアガイドさんとは、お礼を申し上げお別れしました。
 昼食後、午後は、世界最古の三重塔で知られる法起寺。法起寺では、三重塔とともに十一面観音菩薩像を拝しました。続いて、法輪寺では、落雷で焼失し、西岡棟梁が再建を手がけられた三重塔を拝観しました。
時代を経て、護られている伽藍や仏像は、古さより、創建当時の技、文化、人々の暮らしぶりまで、現代に伝えるエネルギーを感じます。個人の偉業ではなく、自然と人が和した姿がその源になっているかのように。
一日が古刹巡りで終わらず、当時の人とともに、お寺や仏様を参拝させていただいている心地になりました。
 今回のセミナーでは、ボランティアガイドさんや参加の方々から色々な話も聞かせていただくことができ、有意義な一日となりました。
毎回、魅力的な企画のセミナーを楽しみにしています。これからもよろしくお願いいたします。
堺市在住 葛原基志氏 60歳代

 遅い秋がぼちぼちとやってきました。11月16日(土)「斑鳩三塔を巡る…」セミナーに参加させていただきました。初めての法隆寺、ワクワクです。ボランティアガイドさんがついて下さり観光センターから法隆寺へ向かいながら、世界が注目している「斑鳩の里」のすばらしさを道々お話してくださり、まあっびっくり!!するお話ばかり。まだ法隆寺に入っていないのにこの時点で口から「へえっー」「わあっ!」と次々と出てくること。
 まず1回目の感動!!の始まりです。さあ聖徳太子が建立された寺院法隆寺へ。目の前に飛鳥時代1300年前の日本最古の国宝・世界最古の木造建築の五重塔。心柱の下にある心礎には仏舎利が納められているそうです。心柱の四方には塑土で洞窟のような舞台が作られ釈迦に関する四つの説話から四つの場面をそれぞれの扉の中に造られていて、ガイドさんから「これは土でできているんですよ」と聞き、おもわず「えっー、土でできてんのー?!」と口から出る始末。法隆寺の西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍を見学し中宮寺へと。聖徳太子が母后のために創建した尼寺。中に国宝如意輪観世音菩薩が。目の前で見ると、神秘的な微笑で本当に優しいお顔。エジプトのスフィンクス、レオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザと並んで世界三大微笑像と呼ばれるのも納得!ふわっとこちらまでおだやかな気持ちで中宮寺を後にしますと天気予報どおり雨がパラパラと。さあ、お昼ご飯の柿の葉寿司を受け取りに行き(予約をしていただいてたので即購入可)場所を確保して「いただきま~す!」。このお寿司が大好きで7コ入りをペロリ。「ごちそうさまでした!」
 そして現存する最古の三重塔の法起寺へ。まわりは満開のコスモス畑、三重塔を背景に静寂な空気を感じました。国宝の三重塔へ向かうと目の前に一重の石壇上に立つ塔が現れた。最古の三重塔を目の前にしますと、息をのんで、ただただ感動!その後セミナーの参加思い出の記念写真を全員でパチリ!そして収蔵庫に安置されている木造十一面観音菩薩立像を身に。高さ3m50cm、高い!!頭・体の幹部は杉一材から彫出されているそう。さあ、次は「斑鳩三塔巡り…」最後の法輪寺へ。三重塔・講堂・金堂・妙見堂があり、講堂には11体もの立像が安置されていた。中でも聖徳太子十六歳像・聖徳太子二歳像・真ん中の大きな十一面観音立像に目がいく。広い講堂内、立像の背面もまわって見ることができあちこちに「近づいたり触れたらセンサーが鳴ります」と書かれているのが目に入った。すると、堂内他の見学者のどなたかが近づいたのか、センサーが作動して突然講堂内に「ビッー!」と鳴り響き、もうびっくり!「わあっ、書いてるとおり、本間に鳴るんやわ」とドキッ!そして充分、講堂内を見た後、バスで法隆寺駅へと向かう。
 本日のテーマ「斑鳩三塔を巡る…」を、皆さんとお喋りしながらゆっくり秋の一日を過ごすことができました。知識が乏しい??いやいやゼロに近い私は「そーなんやあ」「へえっー」「わあっ」「すごっ」とどれだけ感動したことでしょう。法隆寺・法輪寺・薬師寺の修理・再建に携わり、飛鳥時代の伝統技術を受けついだ宮大工の西岡常一氏。生活そのものから信念・技・全てを揃え持った最後の法隆寺棟梁、一生を檜と古代建築で過ごしてきた西岡常一氏が書かれた「木のいのち木のこころ」の本を是非読みたいものです。今日お会いできました会員の皆様とまた是非ともご縁をいただけますように。今回も津島さん、新井さんに大変お世話になりましてありがとうございました。参加させていただくたびに、次回も楽しみに帰ってきます。(次回は何かしら?)お疲れ様でした。感謝!

岸和田市在住 梅本仁美氏 60歳代

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