今回は、日本三大酒処の京都・伏見界隈を訪れます。伏見の酒造りは、1594年、豊臣秀吉が伏見城を築いたころから始まりました。酒造りが盛んになると、伏見の川には酒やその原料となる米などを運ぶ輸送船などが行き交います。十石舟や三十石船が運航する濠川は宇治川へと流れ、淀川に通じるため多くの船が行き交い、船着場として賑わったといいます。
春から秋にかけて運航される十石舟は、春は桜、初夏はアジサイ、秋は紅葉と、川岸の植物で移りゆく季節を感じることができます。
「日本名水百選」にも選ばれた名水「御香水」は、ミネラルやカルシウム等を含んでおり、上品で旨味のある日本酒に仕上げてくれます。口当たりの滑らかな優しい味わいが「伏見の女酒」と形容されることもあります。現在も伏見には、「黄桜」「月桂冠」「宝酒造」をはじめ20以上の酒蔵があります。大正時代の月桂冠の旧本店を再利用したカフェ兼お土産処「伏見夢百衆」では、「きき酒会」も開催しています。
伏見に鎮座する「御香宮神社」は、安産・子育ての社として信仰を集めています。主祭神の神功皇后は、第15代応神天皇の母にあたり、懐妊の身でありながら朝鮮半島へ出陣され、新羅・百済・高句麗を平定されたといわれています。無事帰還された後に、御子である応神天皇を出産され、子育てに励まれたことから、安産・子育ての神とし崇敬を受けています。
また、幕末の歴史の舞台ともなった伏見には、その名残を感じられる場所が数多くあります。坂本龍馬ゆかりの寺田屋を過ぎれば、伏見みなと公園に立つ龍馬と妻のお龍の銅像が見えます。龍馬とお龍はここから三十石船に乗り、日本初といわれる新婚旅行に出発したとされています。
酒蔵巡りと利き酒、十石船(自由参加)で季節を味わい、幕末に想いを寄せましょう。
※事前の学習は…
伏見観光協会:https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/8430
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