今回は、滋賀県蒲生郡日野町に鎮座する馬見岡綿向神社の春の例祭「日野祭」の本祭を訪れます。馬見岡綿向神社は、日野町民には「大宮さん」と呼ばれて親しまれており、日野祭は850年以上の歴史を持つともいわれる祭礼行事です。 毎年5月2日(宵祭)、3日(本祭)、4日(後宴祭)の3日間執り行われ、1985年(昭和60年)に「日野曳山祭」の名称で滋賀県無形民俗文化財に指定されました。 神輿や神子と呼ばれる稚児行列が渡御する「神幸祭り」と、18世紀の初頭から日野町人たちの財力で完成し、現存する16基の山車(曳山)が巡行する「曳山祭り」が併合されているのが特徴です。 渡御巡行の道筋約4kmにある電柱は、すべて個人の屋敷の敷地内に建ち道路上には1本もないことに、そこに暮らす人たちの日野祭への熱い想いが溢れています。 日本で唯一の建築様式にもその想いは感じることが出来ます。日野独自の「桟敷窓」のある家は、日野祭の巡行を屋内から鑑賞するためだけに設けられています。ふだんは閉じられている「桟敷窓」が、日野祭には開き、その開口部に緋毛氈や御簾をかけて窓とし、庭に桟敷を組んで家族や親戚が集まって「桟敷窓」越しに通りを行く行列を観ることができます。 850年以上から続く日野祭りを堪能し、昼食には、近江日野商人・旧山中正吉邸で祭礼料理の「鯛そうめん」に舌鼓を打つのは如何でしょうか(参加は自由です)。
※事前の学習は…
馬見岡綿向神社:https://hino-kanko.jp/sight/umamioka/
日野の伝統料理を継承する会:https://hinoryori.net/
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